事故による子どもの傷害は多発しており、傷害データを活用し、子どもの傷害の数を減少させる仕組みの構築が急務となっています。日本学術会議 第25期子どもの成育環境分科会では、2022年7月に開催したシンポジウム「事故による子どもの傷害を予防する-子ども中心の新たな予防システムの構築へ」において、子どもの傷害に関わっている組織の方々に、子どもの傷害についての現状、対応、課題を述べていただき、それらの実態に対して科学的にどのように取り組み、どうしたら子どもの傷害の発生数を減らすことができるか、どのようなシステムが必要かについて議論しました。
その後、昨年のシンポジウムでの議論も踏まえ、子どもの傷害予防に向けて学際的・業際的なアプローチや体制の必要性に関する見解(案)「こどもの傷害を減らすためのデータ収集および利活用の促進」を取りまとめました。
今回のシンポジウムでは、見解で示した目指すべき社会像と、その社会像の実現に向けて動き出している新たな取り組みを紹介します。これにより、課題の指摘にとどまることなく、国や地域で始まっている新たな胎動を参加者と共有し、また、今後、社会実装を進める上での関係者間のネットワークづくりを促進することを本シンポジウムの目的としています。